ハドソンが開発した国産MMORPG“Master of Epic”エメラルドサーバーでの日記やショートストーリー
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始まりは序曲
2012年04月09日 (月) | 編集 |
 これはてぃらみーが故郷のエターナルフレンシアにいた頃の物語………

 カラン………カララン………♪
 入り口のベルを鳴らし、一人の少女が入ってきた。
 ふわりと揺れる桃色のポニーテイルが、午後の日差しに輝く、まだ幼さを残したエルモニーだ。
 年の頃は14くらいだろうか。
 店の中にはたくさんの武器や防具が飾られており、とても不釣合いな雰囲気を醸し出している。
 知らない者が見れば不審に思うかも知れないが、店主であるパンデモスの男は気にすることなく、彼女に近づくと背をかがめた。
「おや、また来たのかい」
「えへへ♪ だって、おじさんの店、キラキラしてて綺麗だもん」
 藍色の着物に紺色の羽織、水色の袴、異国より伝わった服装に身を包んだ男の優しい声に、少女は明るい声で応える。
「おじちゃんはちょっと用事があるから店を開けるけど、ゆっくりしていってな」
「どこ行くの?」
「ちょいとモエンフィーナさんにフライパンやらの修理を頼まれててな」
「コリーシャちゃんの家ね」
「そうそう。あそこもてぃらみーちゃんくらいの子がいたね」
「うん、お友達なの~☆」
「そうかい。おっと、急がなければ! じゃ、しばらく店番を頼むよ」
「はーい」
 2人はしばらくの間会話をしていが、客であるはずのてぃらみーに留守番を任せると、大きな唐草模様の風呂敷包みを持ち上げ、店から出て行ってしまった。
 だが、いつもの事なのか、気にしてないようだ。
 入り口付近のアイテムを一通り見終えると、次の棚に進み………
「あ、これ、かわいい! てぃらみーに似合うかも!」
 背丈より少し高い位置の棚にあったヘルムを勝手に取ろうとして………
「あっ!」
 落としてしまう。
 銀色に輝く鳥を模した兜は、外から差し込む光を受けてキラキラ輝き………
 ガツーン☆
 下に置いてあったプレイトメイルに命中して派手な音を立てて地面に叩きつけられた。
「どどどど、どうしよう!」
 幸運にもヘルムは無事のようだ。
 だが、鎧の腹部に大きなへこみが出来てしまった。
「ひぃぃ、怒られるっ! 店に入れてもらえなくなっちゃうかも………」
 完全に青ざめ、今にも泣きそうだったが、とりあえず鎧を持ち上げると………
「どこかに隠し………ダメ! 現実を見るのよ!」
 よく分からない事を口走りながら、店内を見回した。
 奥には精算をするためのカウンターと………
「ハンマー! あれで叩いたら直せるかな!?」
 壁にかけられた大きなハンマー、そして足元には金属の板が見える。
 そこにそそくさと走ると、金槌を手にとり、内側から叩いてみる。
 そこへ………
「ただいま」
 店主が戻ってきた。
「ん? 何をしてるんだ?」
「ぎくりっ!」
「カッパープレイトアーマー?」
「ご、ごめんなさいっ! 落として壊しちゃいました!!」
 その方向を向いててぃらみーが土下座をする。
 その表情は死を覚悟したかのようだった。
「ははっ! なんだ、その程度でへこむようなモンだったか。あっはっはっ!」
 だが、男は笑い飛ばす。
「怒らないの?」
「こんな柔なもん売っちゃ、鍛冶屋の名が廃るってもんよ」
 店主はてぃらみーの背中を軽く叩きながら鎧を取り上げた。
「それに、正直に話したしな」
 そこまでしゃべってから、表情を硬くし………
「それにしても、綺麗な直しだな」
 再び鎧を持ち上げて、色々な角度から見た上で………
「どうだ、弟子にならないか?」
 突然そういい始めた。
「え?」
「まだまだ原石かもだが、お前は鍛えれば歴史に名を残せる鍛冶屋になれるかもしれんぞ」
「いいの?」
「決めるのはお前さんだよ」
「ぜひ! よろしくお願いします」
 突然な事に戸惑ったてぃらみーだったが、店主の真剣な瞳を見つめ返すと、その手を取って快諾する。
 これが彼女の第一歩だった。
 平和な故郷では武器防具は必要とされなかったが、包丁やフライパン、ハンマーといった日常雑貨は飛ぶように売れ、その名は国中に轟く。
 でもこれだけじゃつまんない。
 彼女はそう言い残してダイアロスへと旅立つのであった。
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